===== Excelでエラー値を無視して平均値と標準偏差を計算 =====
統計といえば、まずは平均値と標準偏差です。[[Excelで平均値と標準誤差]]では、値が全部そろっている場合の平均値と標準偏差を計算しました。しかし、データに欠損値があったりする場合、AVERAGE()関数を用いてもエラーとなってしまいます。今回はデータの一部に欠損値やエラー値があっても、その項目を無視して、平均値や標準偏差を計算できる
AGGREGATE()関数
について解説させて頂きます。
==== 環境 ====
Windows 8.1 Pro\\
Microsoft Excel 2016
==== 1.データの準備 ====
作成中
エクセルに書き込んでいくのですが、1行目にIDや年齢、糖尿病DMの有無などの項目を並べていき、2行目からは各症例の生データを打ち込んでいきます。できれば、項目もデータも『半角英数字』が望ましいです。もし欠損データがある場合は、『NA』と入力します。
今回は、以下のようなデータを用意します。
^ ID ^ age ^ sex ^ DM ^ height ^ weight ^
| 00001 | 56 | M | 1 | 169 |60 |
| 00002 | 77 | F | 1 | 156 |69 |
| 00003 | 68 | M | 0 | 178 |67 |
| 00004 | 81 | F | 1 | 165 |71 |
| 00005 | 72 | M | 0 | 178 |67 |
| 00006 | 65 | M | 0 | 167 |53 |
| 00007 | 68 | F | 0 | 156 |50 |
エクセルの画面では以下のようになります。
{{:pasted:20171124-002809.png}}
上記のエクセルファイルは、以下からダウンロードできます。
{{book1.xlsx}}
==== 2.平均値の計算 ====
年齢ageの平均を計算します。
ageの一番下の行から2行下のセルに、「平均」と記載します。
{{:pasted:20171124-002935.png}}
さらに1個下のセルを選択した状態で、セルの中身を表示している部分の左側の「fx」というアイコンをクリック。
{{:pasted:20171124-003036.png}}
以下のように、「関数の挿入」タブが出てくるので、「AVERAGE」をクリックしてから、OK をクリック。
{{:pasted:20171124-003223.png}}
以下のように、「関数の引数」タブが出てくるので、「数値1」の空欄の右横の「↑」アイコンをクリックしてから、図のように、"セルB2"から"セルB8"までドラッグ。
{{:pasted:20171124-003544.png}}
上記の状態で、「Enter」を押すと、以下のような画面になるので、OK をクリック。
{{:pasted:20171124-003656.png}}
以上の操作で、年齢ageの平均が計算されます。
{{:pasted:20171124-003803.png}}
==== 3.平均値の計算のコピー ====
上記データで、体重weightと身長heightの平均を求める場合は、年齢の平均のセルを「コピー&ペースト」すると簡単に計算できます。
下記のエクセルファイルで、セルB11を右クリック > コピー (または、Ctrl + C)
{{:pasted:20171124-004220.png}}
セルE11からF11を選択した状態で、右クリック > ペースト (または、Ctrl + V)
{{:pasted:20171124-004519.png}}
以下のようになるので、セルE10、F10に「平均」と記載する。
{{:pasted:20171124-004739.png}}
以下のようになります。
{{:pasted:20171124-004837.png}}
==== 4.標準偏差の計算 ====
年齢ageの標準偏差を計算します。 ageの平均を計算したセルの1個下のセルに、「標準偏差」と記載します。
{{:pasted:20171124-005035.png}}
さらに1個下のセルを選択した状態で、セルの中身を表示している部分の左側の「fx」というアイコンをクリック。
{{:pasted:20171124-005246.png}}
以下のような画面になるので、「関数の検索」のところに、「標準偏差」と入力してから、「検索開始」をクリック。
{{:pasted:20171124-005412.png}}
{{:pasted:20171124-005534.png}}
標準偏差を求める関数がいろいろ出てくるので、"STDEV.P"をクリックして、OK をクリック。
{{:pasted:20171124-010035.png}}
以下のように、「関数の引数」タブが出てくるので、「数値1」の空欄の右横の「↑」アイコンをクリックしてから、図のように、“セルB2”から“セルB8”までドラッグ。
{{:pasted:20171124-010147.png}}
{{:pasted:20171124-010331.png}}
上記の状態で、「Enter」を押すと、以下のような画面になるので、OK をクリック。
{{:pasted:20171124-010441.png}}
以下のように年齢ageの標準偏差が計算されました。
{{:pasted:20171124-010508.png}}
==== 5.標準偏差の計算のコピー ====
以下のように、セルB12からセルB13までドラッグして選択した後、Ctrl + C を押す。(パソコンのキーボードの、Ctrlボタンと、Cボタンの同時押し)
{{:pasted:20171124-010612.png}}
その状態のままで、セルE12からセルF13までドラッグして、
{{:pasted:20171124-010830.png}}
Ctrl + V を押すと、heightとweightの標準偏差が計算される。
{{:pasted:20171124-010934.png}}
以上となります。計算した後のエクセルファイルは、以下からダウンロードできます。
{{book1_002.xlsx}}
===== 参考文献 =====
エクセル関数塾\\
第3回エクセルで平均を求めるべし!AVERAGE関数で価格の平均値を算出!\\
https://azby.fmworld.net/usage/excel-function/003/
Excel指定された範囲の平均値を求める(AVERAGE関数)\\
http://www.pursue.ne.jp/Document_xls/xls0015.htm
2016.12.20 2017.07.12
ExcelのAVERAGE関数の使い方【平均の計算】\\
https://pasonyu.com/how-to-use-average/
May 24, 2010 STDEVP? STDEV?\\
http://www.ntrand.com/jp/articles/StdevpOrStdev/
===== リンク =====
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