2020年4月現時点での軽症者のSARS-CoV-2のPCR検査に反対します
国民全員のPCR検査を要求する専門家
https://bunshun.jp/articles/-/37476
著者はイギリス在住の公衆衛生学の専門家らしいです。中国に忖度してパンデミック宣言を遅らせた、あのWHOの上級顧問だそうです。
有名人の死亡で高まる不安とPCR検査希望の気持ち
4月中旬のニュースを聞いて、私は新型コロナウイルス感染症による死を身近に感じました。また、同時期に、軽症者として自宅待機されていた方が立て続けに重症化して亡くなられました。
そりゃ、だれだって発熱したり、咳が出たりしたら、COVID-19かどうか、SARS-CoV-2のPCR検査を受けたいと思います。私だって受けたいです。
会社の社長や部長ならば、社内で新型コロナウイルス感染症COVID-19が広がってしまったら大変ですから、『社員全員にPCR検査を受けてもらって、陰性の人のみ出社可!』としたい気持ちもよくわかります。
でも、2020年4月現時点でそれをされると医療崩壊がさらに悪化しますので、やめてください。
発熱しても4日間待機に科学的根拠は無い
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/4%E6%97%A5%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB
政府の『37.5度以上が4日間』『全身倦怠感』とかは、ほとんど科学的根拠はありません。
普通の風邪であれば、3日くらいで自然に解熱することが多いので、そのような人が病院に殺到しないように『4日間ルール』が出来上がったのだと思われます。
本当は、アビガンだって、インフルエンザに対するタミフルと同じで、
『発症早期に投与開始してコロナウイルスの増殖を抑え、重症化を防ぐ』
方がよいことは明らかです。しかし、アビガンは2020年2月時点で200万人分の備蓄しかありませんので、そのような使い方はできません。
アビガンが3000万人分くらい増産され、一般病院でも発熱患者の診察が再開され、すぐにアビガンを処方できるようになった段階で、『軽症者のCOVID-19(疑い)発症初期にアビガン投与』が可能となると思われます。
PCR検査制限はこれ以上の医療崩壊悪化を防ぐため
病院に入院できる患者数 < 入院治療が必要な患者数
または
病院の外来を受診できる患者数 < 外来治療が必要な患者数
となれば、医療崩壊です。これを防ぐためには、図のように瞬間最大患者数の値を出来るだけ下げるしかありません。
当初(2020年2月から3月)は、東京オリンピック開催のために、『見かけ上の新型コロナ患者数を減らす』目的で、PCR検査を意図的に行っていなかった可能性はあると個人的には思います。しかし、
- 帰国者・接触者相談センターで発熱患者が病院へ殺到することをブロックしてくださっている
- 2020年4月の緊急事態宣言で、4月中旬から5月上旬まで大幅な外出自粛
により、結果として
- 初期の段階(2020年2月から3月)で、病院の外来で、新型コロナウイルスが爆発的に感染拡大することを阻止(軽症者が病院に殺到すると、その中にコロナ患者と、コロナではない患者が混ざっており、SARS-CoV-2の感染拡大がおきてしまう)
- 人と人が接する機会が減り、SARS-CoV-2の感染拡大が抑制される
結果となったと思います。
軽症者が自宅でPCR検査を行うと、偽陽性の40万人が病院に殺到して医療崩壊が加速する
既に都内では、発熱して病院に受診しようとしても、受診できる病院がかなり少ないです。 帰国者・接触者相談センター も電話がかなりつながりにくく、つながっても家で待機と言われることが多いようです。(COVID-19以外にも発熱する病気はいくらでもありますが、、、)
40万人という数字は、PCR検査が感度70%、特異度95%、COVID-19の有病率を15%と仮定した場合の、上記の『五本木クリニック』のブログでの試算です。都民全員がPCR検査を行った場合、本当はCOVID-19では無いのに感染者として自宅隔離・ホテル隔離・病院に入院となる人が42.5万人も出てしまいます。
そうなったら、
- 患者でごった返した病院が『3密』になり、さらに新型コロナウイルスの爆発的感染拡大がおこる
- 病院の職員が感染する確率が上がり、多くの職員が感染した場合は病院は休診に
- がんや心筋梗塞などの手術、治療ができなくなり患者が死亡
- 交通事故にあっても、どこの病院でも治療を受けられずに死亡
という『医療崩壊』まっしぐらです。
上記の理由から、軽症者がSARS-CoV-2のPCR検査を行うことに反対です。
病院でのSARS-CoV-2の感染拡大を予防するため、入院中患者と医療従事者のPCR検査は症状がなくとも積極的に行うべきだと考えます
市中ではなく、病院内となると、状況は変わります。
- 骨折など、COVID-19以外の理由で入院するすべての患者
- 全ての医療従事者
は、たとえ症状がなくとも、積極的にPCR検査は受けるべきと考えます。なぜなら、その中の一人でもSARS-CoV-2に感染していれば、院内感染を引き起こし、医療崩壊につながるからです。
京大病院・京都府立医大病院の声明ですが、これ自体はもっともだと思います。なお、 https://bunshun.jp/articles/-/37476 の記事では、この声明を、『感染症2学会とは全く逆の方向性である。』と記載していますが、これは間違いです。私の知る限り、日本感染症学会、日本環境感染学会は、医療従事者や入院患者のPCR検査を否定した声明は出していませんし、むしろ日本感染症学会は京大病院と同様の声明を出しています。プロなら少しは調べてから記事を書いてほしいものです。
正直なところ、個人的には不安ですから、本当は、咳や熱があったら、自分や家族のSARS-CoV-2のPCR検査を行って、アビガンを手に入れて内服したいです
でも、それをすると、医療崩壊してしまい、他の病気になったときに病院を受診できなくなってしまう(まあ、既にそうなっているのですが)ので、我慢します。
とにかく、早く
- 迅速診断キットの開発と流通の確保(15分程度で判定できるもの、感度と特異度の高いもの)
- アビガンの増産と流通の確保
- ワクチン開発(技術的に難しい可能性あり)
が実行されますように願っています。
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