Bardet-Biedl syndrome (ローレンスムーンビードル症候群)モデルマウスの、網膜色素変性症に対する治療
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21444805
Proc Natl Acad Sci U S A. 2011 Mar 28.
Gene therapy prevents photoreceptor death and preserves retinal function in a Bardet-Biedl syndrome mouse model.
網膜色素変性症モデルマウスの遺伝子治療に成功したという論文。
BBS4(-/-)マウスに、AAV(adeno-associated virus)を用いて、
「rhodopsin-promotor下で、BBS4を発現させるDNA」を網膜下に注射して視細胞に感染させると、網膜色素変性症の進行を遅らせることができた。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20603001
BBSモデル動物に関するReview
cognitive impairment 認識機能障害(アルツハイマー病など)
spastic paraplegia 痙性対まひ
(1)Bardet Biedl 症候群モデルマウスに遺伝子治療を行い、網膜色素変性症の進行を遅らせたという論文です。
(2)Bardet Biedl 症候群とは、
網膜色素変性症、多指症、肥満、精神発達遅滞、男性不妊、腎障害
を特徴とする症候群です。
今まで(2011年r月現在)に14個の原因遺伝子が報告されており、これらの蛋白質はBBSomeというcomplexを形成して、ciliaにおいて
○ recruit cargo toward ciliary basal body
○ IFT (intraflagellar transport)
に関わっていると考えられています。
(3)網膜の視細胞において、内節(inner segment)からciliaが生えて、外節(outer segment)が形成されているといわれています。視細胞では、このciliaにおいて、inner segmentからouter segmentへ、いろいろな物質がBBSomeを介して輸送されています。ここで、BBSomeの機能異常が生じると、inner segmnetに余計な物質が蓄積し、網膜色素変性症になると考えられています。
BBSome complexの構成因子のひとつであるBBS4をノックアウトしたマウスも、網膜色素変性症になることが知られています(PNAS 2004)。今回、BBS KOマウスに対し、AAVウイルスベクターを用いて、ロドプシンプロモーター下にBBSタンパクを発現させるコンストラクトを網膜視細胞に導入(遺伝子導入)することにより、網膜色素変性症の進行が抑制されたという論文を紹介させていただきます。
(4)Figure1をご覧ください。。。