MD研究者育成プログラム
http://www.ut-mdres.umin.jp/index.html
とあるきっかけから、週刊医学会新聞を読ませていただいている。
研修の頃は全くかかわりがなかった新聞であるが、記事が本当に面白いことが多い。
今回もそこからこの記事を読んだ。
私が学生の頃、PhDMDコースという制度が始まり、医学部生が4年生が終わった後、研究室に2年?3年?配属して、博士号をとり、その後、医学部の5年、6年を経て国試を受けるという画期的な制度が始まった。
しかし、このコースに行くということは、国試を受ける年齢がそれだけ(2年?3年?)遅れるということであったが、研究に少し興味があっても、医学生が4年生が終わった後、このコースを進むことを決心するのにはあまりにモチベーションが必要である。
私の学年ではむちゃくちゃ優秀な人が1人、このコースへ行った人がいた。
意思の強い人は、自分でそれぞれの研究室へ行って、研究の見学をしていた。
夏休みにも希望者は基礎配属という制度があって、100人中、半数以上が行っていたような気がする。
ちなみに私は、研究に興味がないわけではなかったが、アルバイトをしたり、とにかく遊びたかったので、研究室は訪れなかった。
大学はPhDMDコースにとどまらず、夏休みだけの基礎配属を、年間コースとして、学生が研究室の門戸をたたきやすいようなプログラムを設定し、実際、年間10人くらいが利用しているらしい。
また、その学生間で定期的に論文のしょうどく会も行い、学年間のつきあいもあるらしい。
学生間での横のつながり、縦のつながりは、それまでなかった新しいことであるし、個人的にはとてもいいことだと思う。
さらに、大事なことは、
1.このコースを受講することの形に見えるメリット
2.お金
であると思われるが、
http://www.ut-mdres.umin.jp/curriculum/graduate.html
を見ると、まだこれからではあるが、両方ともプログラム担当の先生は学生の身になって
本気で考えていらっしゃると思われる。そちらのページに書いてあることと重複するが、
以下の2点がクリアされる(無理かな?)と、
学部卒業後、博士課程大学院へ進む学生も少し増えると思われる。
1.このコースの結果によっては、博士課程が通常4年間を3年間に短縮
(研究の結果が出なければ4年どころではないが、、、)
2.大学院進学後の収入の保障
(具体的に月いくらとか書かれないとあまり意味がないと思われる。
日本学術振興会に応募しても(いくら可能性が高いと言われたとしても)
落ちる可能性がないわけではなく、確実にこれだけ収入が得られる
という情報がなければ、初期研修も受けずに大学院進学はかなり難しいと思われる。
学生は研修医になったら月収いくら、大学院に行ったら月収いくら(授業料も払った上で)と比較する。
「学生に収入なんてあるわけが、、、」と思うのはもちろんである。しかし、学生側からすれば、
「外国人留学生が学費もただでなおかつ国(日本)から生活費をもらっているのに、なんで自分は育英会(最近は名前が変わった。)に
何百万円(利子あり)も借金をしなければならないのか?」と思うのは当然であると思う。
もっとも、同級生は家が裕福な人がすごく多かった気がするが、、、
普通?の家ならば、24歳卒業時に、さらに収入なしで28歳まで大学院へ進もうとしても、その4年間、親の援助を得るのは難しいだろう。
30年ほど前なら、どんどん大学を新しく作って、ポストもどんどんできて院を卒業したらすぐ助手(今は助教)になれそうだと考えたであろうが、
今はそんなことは普通はない。)
これだけ書いたが、私の場合、このようにすばらしい制度があっても、学生時代にあまり勉強しなかったのと、やはり収入の不安があったので、おそらく先に初期研修をしていたと思う。