Retinal Input Instructs Alignment of Visual Topographic Maps
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19804762
神経投射に関する、参考ページ
http://www.jst.go.jp/pr/info/info290/index.html
哺乳類
霊長類(ヒト,etc.) :視野の半分が同側の上丘に投射
霊長類以外(マウス、ネコ、etc.) :GCLは全て反対側の上丘に投射。
鳥類以下の脊椎動物:中脳視蓋が視覚中枢であり、網膜ganglion cellから投射を受ける。
哺乳類では、視覚中枢は大脳後頭葉にある視覚野に移っており、視蓋に相当する中脳上丘は、視覚反射の中枢となっているが、視蓋と同様なパターンの投射を網膜ganglion cellから受ける。
網膜視蓋投射は、神経回路形成の機構を研究する丹野?モデル系として最も詳細に解析されてきた実験系の一つ。
Eph (receptor) と Ephrin (ligand)は、網膜視蓋投射パターンを制御する軸索ガイダンス分子としてはじめて同定された分子。
ストライプアッセイ (Bonhoeffer. 1987)
視蓋尾側細胞の細胞膜上に、網膜耳側からの神経線維を反発する物質が存在。
GPI(グリコシルホスファチジルイノシトール)で細胞膜に結合している分子
RAGS (repulsive axon guidance signal) →現在では、Ephrin A5 (Cell, 1995)
これとは独立に、Flanaganのグループ
EphA3 (= Mek4)のリガンドを探索する過程で、(EphA3は網膜耳側で強く発現。 )
Ephrin A2 (= ELF-1, Eph ligand family-1)を同定。Ephrin A2は視蓋尾側で強く発現。
Eph受容体型チロシンキナーゼファミリー
受容体型チロシンキナーゼ中、最大のファミリーを形成。
結合できるligandの違いによって、
EphA (EphA1 ~ A8)
EphB (EphB1 ~ B6)
の2つに大別。
EphrinA1 ~ A6 : GPIアンカー型のAタイプリガンド
EphrinB1 ~ B3 : 1回膜貫通型で細胞質ドメインを持つBタイプリガンド
EphA4は、Bタイプのligandとも結合する。
EphとEphrinは、双方向性のシグナル伝達分子。
nasal 鼻側
temporal 耳側
dorsal 背側
ventral 腹側
吻側(ふんそく) rostral half
中脳尾側 caudal mesencephalon
alignment【名】位置合わせ、整列、配置、配列、調節、調整
bifurcate【自動】〔1本の道・川などが2本に〕分岐する
convergent【形】一点に集まる、収束した
integrative【形】統合的な、集成的な
innervation【名】神経支配[分布]
afferent【名】《医》求心性神経【形】《医》〔神経が〕求心性の
SGS stratum griseum superficiale 上丘の浅灰白層、上丘の第II層
上丘の浅灰白層は視神経線維をはじめ脊髄・視索線維や橋・視蓋線維が主に終わるところで、局所回路ニューロン(local circuit neuron)と思われる細胞も多数存在する。
in register with ~と一致して
retinocollicular pathway 網膜-視蓋(上丘)投射
retino-geniculo-cortial pathway 網膜-LGN-皮質投射
postulate【他動】~を要求する、主張する、自明のこととして仮定する、前提とする
Islet-2 : LIM/ホメオドメイン型の転写因子。約半数の網膜神経節細胞において、網膜全体にわたってクラスター状に分散して発現。
islet2-Eph!3 knockin mouse
azimuth【名】アジマス、発射方位、方位角◆【略】AZ
ubcutaneously【副】皮下に◆【略】SC
aspirate【他動】~を吸引する
thereby【副】それによって、その結果
intrinsic【形】本来備わっている、固有の、本質的な、(それ自体に)内在する、内因性の
hemodynamic【形】血流力学の
hemodynamic response 血液動態反応
periodic【形】定期的な、周期的な、断続的な
periodic stimulation 周期的刺激
fMRI functional magnetic resonance imaging in human visual cortex
・EphA3 ki , Math5 ko, EphA3 ki -β2の3つのマウスは、それぞれどのような特徴があるのか。
・β2はどういう役割をするのか。
●EphA3 kiマウス
Islet2-EphA3 Knockin Mice Have a Duplicated Azimuth Map in the SC, but Not V1
EphA3 kiマウスは、網膜から上丘(SC)への投射が、普通のマウスの2重になっています。
しかし、網膜からV1(大脳皮質)への投射は、普通のマウスと同じです。
●Math5 koマウス
Math5 KOマウスは、WTマウスと比べて、網膜神経節細胞(retinal ganglion cell, RGC)が、5%-10%程しかありません。
Math5は、RGCの分化に関与する転写因子です。
●EphA3 ki -β2(-/-)マウス、・β2はどういう役割をするのか。
β2 : β2 nicotinic acetylcholine receptor subunit knockout mice
P0-P10のマウスでは、starburst amacrine cells と RGCsの間で、アセチルコリンによるneurotransmissionが行われていることが知られている。(Bansal et al., 2000; Feller et al., 1996; Syed et al., 2004).
このことにヒントを得て、EphA3 kiマウスとβ2(-/-)マウスをかけあわせたのが、
EphA3 ki -β2(-/-)マウス
である。
Figure6の下の図で、
EphA3 kiマウスでは、
網膜→上丘 2重
V1→上丘 2重
になったのに対し、EphA3 ki -β2(-/-)マウスでは、
網膜→上丘 (うすいけど、)2重
V1→上丘 1重
となったことから、網膜から上丘に神経投射が起こった後、V1から上丘への投射が起こる分子メカニズムに、アセチルコリン受容体β2が関与しているのではないかと予想される。
Functional map (Figure 2)の測定方法
モニターにバーの映像を出して、
一定方向に動かす。
マウスの右眼に見せる。
Dorsal(背側)→Ventral(腹側)
Nasal(鼻側)→Temporal(耳側)
CCDカメラで、
マウス大脳皮質の表面下にピントをあわせて、610nmの赤色光を検出。
→どの位置の血流が増えているかを画像化。
→どの位置の神経細胞が興奮しているかが分かる。(参考:functional MRI)