dry type AMDの原因、治療の可能性
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21297615
Nature. 2011 Feb 6.
DICER1 deficit induces Alu RNA toxicity in age-related macular degeneration.
dry type AMDの患者
→DICER1が減っている。(酸化ストレスによる?Sup Fig. )
→Alu RNAが蓄積。
→dry type AMDになる?
(dry type AMDの治療の可能性)
1.DICER1タンパクをRPEで増やす。
2.Alu RNAをRPEで減らす。(DICER1が減少しているため、Alu RNA microRNAは使えない。)
Fig1
(a) dry type AMDの患眼で、DICER1のRNAが減っている。
(b) タンパクも減っている。
(c)DICER1の免疫染色。
(d)dry type AMDのマウスモデル
BEST1 : RPEで発現
BEST1-Cre : RPEでCreを発現。Dicer1(flox/flox)とのかけあわせで、RPEのみでDICER1をノックアウトされたマウスを作製。眼底写真、組織切片で、AMD様となる。(RPEがぐちゃぐちゃ(f)はRPEの境界をZO-1で染色。)
(g)adult mouseでDicer1をコンディショナルノックアウト。AAVウイルスsubretinaに注射。同様に、RPEが破壊された。
(j)Dicer(flox/flox)のRPEを培養。Creを入れると、生存率が低下する。
Fig2
(a)ヒトのdry type AMD(GA)のRPEは、anti-ds RNA抗体でよく染まる。
drusenも、anti-ds RNA抗体でよく染まる。
(e)ヒトのGAのRPE、正常RPEのds RNAをアダプターをくっつけて、アダプターのprimerでPCRすると、GAのRPEからのPCR産物のみ、300-400bpのbandが出る。→これをsequenceすると、Alu RNAと配列が一致。
(f)正常眼、GA眼のRPE, retinaそれぞれで、Alu RNAのqPCRを行った。GA眼のRPEでのみ、Alu RNAが劇的に(40倍くらい)増加していた。
Fig3
(a)human RPE cellにDICER1のantisenseを入れてDICER1をknockdownすると、Alu RNA量が増加する。
(b)マウスのDICER1(flox/flox)マウスのRPE細胞にCreを作用させると、マウスのAlu RNAである、B1, B2が増加する。
(e)human GA RPEから抽出したAlu RNAに、DICER1のenzymeキットを用いてDICER1を作用させると、Alu RNAが分解される。(→Alu RNAはDICER1によって直接分解される。)
Fig4
(参考Sup Fig 18)AluRNAのsubretinal injectionにより、Alu RNAはRPEに取り込まれる。(普段、RPEは視細胞外節を貪食しているので、その勢いで取り込まれているのだと思われる。)
Fig5
(a)human RPE cell : DICER1 knockdown(antisenseを加える。)で生存率が下がる。しかし、DICER1 knockdwn(antisenseによる)にさらに、Alu RNA antisenseを加える(Alu RNA knockdown)と、細胞の生存率は回復する。
(b)マウスのRPE cellでも同様。
(参考Sup Fig.25)Alu RNAのantisenseを入れれば、qPCRによりAlu RNAが減少することは確認済み。
(d)DICER1 knockdown(antisenseによる)により、主要なmicro RNA量は減少するが、さらにAlu RNAのantisenseを入れても、それらのmicro RNA量は回復しない。(→DICER1はmicro RNA合成にかかわる酵素であるが、micro RNA量が減少することによって、dry type AMDになっている可能性は低い。DICER1が減少することにより、Alu RNAがRPEに蓄積して、dry type AMDが生じている可能性が高い。という結論。)