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核酸医薬

http://journal.nichigan.or.jp/

遺伝性疾患における核酸医薬の役割と遺伝子治療
伊佐敷 靖
日眼会誌. 126 (5): 549-553, 2022

遺伝性疾患、核酸医薬、遺伝子治療

核酸医薬は、化学合成された20塩基程度のオリゴヌクレオチド(DNA or RNA)としての応用。
代表的な核酸医薬
アンチセンス, ASO, antisense oligonucleotide :標的のmRNAに結合してその働きを阻害またはエクソンをスキップさせる
アプタマー :標的のタンパク質に結合して機能を阻害
siRNA, small interfering RNA :mRNAを切断してその作用を抑制
micro RNA, miRNA :疾患で低下している機能を補う

AAVで遺伝子導入

1995年頃、遺伝性疾患はたくさん発見されつつあったが、個人的に、治療できるわけがないと思っていた。
しかし、2022年現在、なんと治療できるようになった。すごい。。。

1944年 DNAが遺伝子の本体であることの発見。OT Avery, CM MacLeod, M McCarty.
1998年 RNAiの発見。AZ Fire, CC Mello.(→2006年 ノーベル生理学・医学賞)

眼科領域
AMD → VEGFタンパクに対するアブタマー療法(2008年 マクジェン(日本))(2004年 米国)
CMV網膜炎→病原体(CMV)のmRNAに対するASO療法

脊髄性筋委縮症

Batten病

ジストロフィン異常症 :遺伝形式XRの筋ジストロフィー。
デュシェンヌ型(徐々に進行し、40歳頃心不全、呼吸不全)に対する、ASO(antisense oligonucleotide)による治療
原因遺伝子ジストロフィン:79個のエクソン、巨大遺伝子、3685個のアミノ酸

レーベル先天黒内障、Leber congenital amaurosis, LCA
原因遺伝子は20種類以上。
GUCY2D, RPE65, CRB1, CEP290, RDH12
このうち、CEP290遺伝子異常によるlCA → Joubert症候群、Bardet-Biedl症候群(ローレンスムーンビードル症候群)のような、
腎臓や中枢神経系などの全身兆候を示す症候群

CEP290は、たんぱく質CEPをコード。54個のエクソン、2479個のアミノ酸。
視細胞繊毛 photoreceptor sensory ciliaの長さを調節することが示唆されている。

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