球後麻酔のときに回旋運動が残る理由
眼科プラクティス6p11
球後麻酔retrobulbar anesthesiaのときに回旋運動が残存するのは、筋漏斗(4直筋+上眼瞼挙筋によって囲まれる部分???)内に注入した麻酔剤が、漏斗外の滑車神経に作用しないためである。らしい。。。(眼科プラクティス6p38図1)
(滑車神経はブロックされない?もう少し調べる必要あり。)
総腱輪の図は、眼科プラクティス6p38,p40,p285
http://www.youtube.com/watch?v=F0LuOYUv6zw
球後麻酔は、毛様体神経節を通る神経細胞とその付近の神経を麻酔している。(と思われる。)
感覚神経:三叉神経の第1枝、眼神経を麻痺させるため、外眼筋や強膜の痛覚は遮断される。
眼神経(V1)の分布の図は、眼科プラクティス6p23。上眼瞼、鼻の知覚は眼神経の枝。
顔面の近くのほとんどは三叉神経が支配。(眼科プラクティス6p22,p285)
眼および眼球後部、眼周囲の痛み、さらには頭蓋の痛みはすべて三叉神経が支配している。(眼科プラクティス6p300)
角膜反射:綿の先を角膜に触れると瞬目が生じる。
橋(きょう)において、三叉神経核と顔面神経核との間に神経線維の連絡があり、三叉神経の求心性ニューロンから
橋の反射中枢を解して、顔面神経遠心性ニューロンへ伝わる反射が起こる。
毛様体神経節(眼科プラクティス6p302、解剖学講義p547)
少し詳しく
(1)眼神経 (眼科プラクティス6p302)
(1-1)海面静脈洞の内部において、眼神経は動眼神経、滑車神経、外転神経に細い枝を出し、各神経が支配する外眼筋へ知覚線維を送る。
(1-2)海面静脈洞の前方部分において、涙腺神経、前頭神経、鼻毛様体神経が分枝して、上眼窩裂を通過し、眼窩内へ入る。
(1-3)涙腺神経は、涙腺、上眼瞼(外側)の皮膚および結膜の知覚を支配する。
(1-4)前頭神経(およびその枝)は、上眼瞼の皮膚および結膜、鼻側部の皮膚などの知覚を支配する。
(1-5-1) 鼻毛様体神経は眼窩に入るところで毛様体神経節に分枝を出し、素通りした枝は短毛様体神経へ連絡し、眼球の知覚を支配する。
(1-5-2) 鼻毛様体神経は、さらに前方で長毛様体神経を分枝(2-3本)し、強膜を貫き、強膜と脈絡膜の間を走行して虹彩、毛様体、角膜の知覚を支配する。(強膜切開時の疼痛を劇的に緩和するためには、球後麻酔において、毛様体神経節だけでなく、これらの長毛様体神経に麻酔がゆきわたるようにする必要があるのかもしれない。)長毛様体神経の内部には、瞳孔散大筋にいたる交感神経系線維が含まれる。その他、上眼瞼(内側)の皮膚及び結膜、涙嚢、涙丘などの近くを支配する。
(2)交感神経線維は節後線維で、内頚動脈神経叢から眼動脈に沿って眼窩に達し、毛様体神経節に入るが、神経節をそのまま通過して短毛様体神経に加わって眼球に達し、主として血管・瞳孔散大筋に分布する。
(3)副交感神経線維(節前線維)は動眼神経を経て毛様体神経節に達し、ここでニューロンを交代して、節後線維となる。節後線維は約10本の短毛様体神経となり、眼球の後部に達し、虹彩の瞳孔括約筋・毛様体筋に分布する。