【初めてのChatGPTその5】ChatGPTに話しかける時は○○になりきってもらう【プロンプト】
「AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方(2023年)」に書いてある、ChatGPTへの命令文(プロンプト)の書き方のコツ3つは、以下のようだそうです。
- 「誰」になってほしいのかを明示する →「数学の先生になってください」
- 言葉遣いや情報の詳細度を指定する →「小学生でも分かるように」「1200字程度で」(完成度はできるだけ具体的に指示、一度回答してもらった後で、追加注文可能)
- 完璧を求めないこと、必ず自分でチェックすること
特に最後は、ChatGPTの特性上、「幻覚 ハルシネーション」といって、嘘をあたかも真実であるかのように回答するので、要注意です。
2023年時点でのChatGPTの性格
現在のChatGPTを始めとする生成AIのイメージは、
- ものすごく物知りな優等生(ただし、時々すごい嘘をつく)
- 図書館を丸ごと暗記しているスーパー記憶力の持ち主
- 言葉を尽くして説明しないと意図を理解してくれない「わからずや」(「プロンプト」の工夫が必要)
- 聞かれたからには決して「わからない」とはいいたくない「知ったかぶり」(平気で嘘をつく:「幻覚」)
- 倫理観は無い(ChatGPTは、OpenAI社の人間による「強化学習」により、ある程度は制限されている)
- 学びのとっかかり」「学びを発展させるきっかけ」をつくってくれるものとしては有用
- 「正解を教えてくれるもの」でははない。あくまでも学びの糸口や、学びのパートナー、副操縦士「Copilot」
と「AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方(2023年)」で、説明されていました。
ChatGPTに対する命令文(プロンプト)の書き方もプログラミング言語を学ぶようなもの
プロンプトは日本語や英語で書けるものですが、
こちらの意図がAIに伝わるよう機能する
ようにするためには、
「プロンプト」という名の「プログラミング言語」を学ぶ
必要があるとのことです。でも、JavaScriptやPythonのように、「一字一句でも間違えたらプログラムが動かない」ということはないという最大のメリットはあると思います。
ChatGPT3とBing(ChatGPT4)とBardで眼科治療薬に関する同じ質問をしてみたら、今回はBingが一番よかった(2023年7月時点)
やってみました。プロンプトは、以下のとおりです。2023年6月に日本で認可された、特定の網膜変性症に対する遺伝子治療注射薬について、聞いてました。
「あなたは眼科専門医です。ルクスターナについて教えてください。」
ChatGPT3の回答
2021年までのデータですので、日本での認可の話は出ないはずです。結果は以下の通りでした。
いかにもルクスターナが「LCA10」(原因遺伝子CEP290)という病気の治療薬であるかのように書いていますが、これは間違いです。https://en.m.wikipedia.org/wiki/Leber_congenital_amaurosis にあるように、ルクスターナは「LCA2」(原因遺伝子RPE65)の治療薬です。
残念ながら、治療のところの「ルクスターナ」は、大間違いです。これが生成AIの「幻覚ハルシネーション」という現象です。
Bing(ChatGPT4)の回答
個人的にかなり満足できる回答でした。これなら、ルクスターナに関するブログ記事を、もう少しググりながら、以前よりかなり楽に、短時間で書くことができると実感しました。Bing は、引用リンクが記載されているのが、ファクトチェックに非常に便利です(生成AIは、しばしば「幻覚」を起こすため、必ず人の手でファクトチェックをする必要があります)。
すごいです。完璧です。もう少し、詳しく聞いてみます。
ほぼ、そのままブログにのせてもよさそうな感じです。最後に、RPE65について聞いてみます。
ちゃんと最初に、酵素だと答えてくれています。
個人的に、今後は、ブログ記事を書いたり、調べ物をしたりするときは、
(1)Bing(ChatGPT4)で、軽く調べて下書きを作ってから、
(2)Google検索して修正する
スタイルが定着しそうです。
なお、私がブログ記事を書くのであれば、上記の内容に加えて、以下のリンク先の内容を補足します。
- アメリカでは1アンプル1億円。(どこかに記載あったはず)
- 目の遺伝子治療薬「ルクスターナ」、国内で初承認…米では1億円超の高額薬 2023/06/26
- ノバルティス、眼科疾患における初めての遺伝子補充療法ルクスターナの承認を取得 →日本でも治験で4名。おそらく、治験を行った病院(日本で2-3施設)で、今後も実施されると予想されます。(どの病院で治験を行ったかは記載なし。)
- https://www.jrvs.jp/guideline/index.html 日本網膜硝子体学会 ルクスターナ注適正使用指針
- https://www.nichigan.or.jp/member/journal/guideline/detail.html?itemid=306&dispmid=909 2016/12/10 網膜色素変性診療ガイドライン
- https://www.cyagen.jp/community/newsletters/what-is-leber-congnitalp-amaurosis.html レーバー先天性黒内障(LCA)|色褪せていく世界 2022年7月13日
Google製Bardの回答
蛇足ですが、Google作製のBardでも同じ質問をしてみました。まだベータ版のようで、日本語版では、現時点では引用文献も出てこないので、Bingには明らかに劣っていて、個は残念な結果でした。将来に期待します。
いきなり回答できないと言われてがっくりきますが、
「他の回答案を表示」
をタップして、3番目の回答を表示すると、以下のような回答でした。
まあ、正しいのですが、かなり大雑把で、面白みのない回答でした。Bard用のプロンプトのコツみたいなのもあるのかもしれません。
結論:2023年7月時点ならBing(ChatGPT4)一択
無料で利用できるテキスト生成AIとしては、回答の正確さ、引用文献の表示があることから、個人的には、現時点ではBing一択です。
いまは無料ですが、そのうち、有料になってしまうのかもしれません。
Bardには、アップデートに期待します。
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