2024年4月に始まる医師の働き方改革は「隠れ宿日直」で、骨抜きどころか給料減で勤務医にとっての地獄になりそう
2023年まで:当直→当直費が出て、翌朝は休みになっていた
2024年以降:当直が、宿日直という名前に変わり、当直費も出ず、翌朝は休みなしでそのまま働く
これでは過労死が増えるだけでは?
医療機関は原則として、医療機関内に医師を宿直させる必要がある(医療法第16条本文)。一方、労働基準法(労基法)においては、宿日直許可を取得し、これに基づき宿日直をさせる場合、労基法に基づく労働時間規制(医師の時間外労働の上限規制を含む)の関係から、宿日直の時間を労働時間としてカウントしないこととなる(労基法第41条3号)。
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/clinic/tmi/202306/580127.html
この文章だけを読むと、(当直の夜に)救急車を受けても、病院が宿日直許可を取っていれば、労働時間としてカウントされず、最悪給料も出ない病院があるのかもしれません。
医師のプライドを傷つける「働き方改革」―宮田剛・岩手県立中央病院長に聞く◆Vol.3
https://sp.m3.com/news/iryoishin/1179267?
恥ずかしながら、この記事を読んで、初めて、
病院の経営者が「宿日直許可」を得れば、勤務医は当直しても労働時間にカウントされない
ということを初めて知りました。
上記記事の中で、こんなコメントがありました。
岩手内の県立病院に関しては、県医療局が声をかけて、できるだけ宿日直許可を取るように徹底されています。
他の県立病院には、当院から多くの医師が応援に行っていますが、ほとんど宿日直許可が取れているので、こちらとしては安心して出せる環境になっています。
もともと大学病院からの派遣とは性質が違っていて、当院の医師は生活費を稼ぎに行くためというわけではありません。きれいごとのように聞こえるかもしれませんが、稼ぎというよりは、地域医療を守るという使命として、派遣をしています。なので、宿日直になっても、給与に大きな影響はありませんし、県立中央病院としても派遣先を絞るつもりはありません。
https://sp.m3.com/news/iryoishin/1179267
なお、Googleマップによると、岩手県立中央病院は、盛岡駅からタクシーで7分、電車で20分のアクセスだそうです。臨床研修医マッチングも、フルマッチ(初期研修医から人気のある病院)だそうです。
上記コメントを穿った見方をすると、
県庁所在地の人気病院に勤務すると、義務としてセットで他の県立病院への薄給当直がついてくる
というようにも見えてしまいます。どう感じるかは人それぞれですが。
当直して救急車受けても労働時間にカウントせず(労基署さえ認めない)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e8b58e8a18c384f7dce64479cae03bae6cc3053d
医者の宿直、労働時間「ゼロ」扱いで労災認定されず 月100h超の残業でくも膜下出血発症…妻「理解に苦しむ」2023/9/22(金)
その一例として、都内の大学病院に勤務していた50代の男性医師のケースをあげた。男性が2018年にくも膜下出血を発症したのは、長時間労働をおこなったのが原因だとして、三田労基署に労災申請したが、不支給決定となった。その後の審査請求も退けられ、現在、再審査請求の結果待ちだという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e8b58e8a18c384f7dce64479cae03bae6cc3053d
→労基署がこれでは、何も変わらなさそうです。
都内の大学病院、三田労基署、、、
https://rousai.sr-serve.jp/hosp_srch_utf.php?&num=1304&dept1=q
によると、4つ該当する病院があります。
通常の働き方改革でもそうですが、大企業はコンプライアンスを守る傾向があるので、一部の病院(研修医から人気のない病院?都内?地方?)では、働き方改革が実際に行われる可能性はあります。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません