静かな退職

「静かな退職という働き方」の要約は以下のYouTubeの通り。この動画を見かけて、この本を即買いしました。
まず、
欧米では労働生産性(労働時間あたりの利益)が高い
と言われていますが、それは、
ヨーロッパでは、スーパーエリート以外は、頑張っても給料が上がらないので、与えられた仕事しかしない
ということの裏返しだそうです。その例として、
スイスの首都ジュネーブから、フランスのパリ行きのバスの運行において、通常だと約8時間らしいのですが、例えば事故などがあって、大幅に遅れた場合、ジュネーブから出発して8時間経過したら、目的地のパリに到着していなくても、乗客は降ろされてしまうらしいのです(!?)。それが当たり前だそうで、現地の乗客は騒がずにぞろぞろ降りて、自分でタクシーなりを呼んで、パリに向かう。
そうです。これなら、バスの運転手は、パリに到着するまで残業をすることなく、
(ヨーロッパ人の)労働生産性は高い
ということになります。これが日本であれば、
大阪から東京への長距離バスで、時間が来たからといって、途中で降ろされることはなく、到着時間が6時間延びたとしても、乗客は東京まで連れて行く。その延長分の6時間のために、
日本人の労働生産性は落ちる
ということになります。乗客としては、ヨーロッパの方はたまったものではありませんが、このままでは、労働生産性の面ではどう頑張っても、日本はヨーロッパに勝てないということは分かります。日本人の労働生産性を上げるためには、
働く人の意識、お客としての意識、社会の意識
を変えていく必要があると感じました。この例にもショックを受けたのですが、その、ヨーロッパの労働者の、
与えられた仕事のみを行い、残業は絶対に行わない
という働き方の背景として、特にドイツ、フランスは、
階級社会
があるそうです。フランスでは、義務教育の中で、テストを繰り返し、その途中で、
- 経営者などになるエリート
- 一般職
と、大人になった時点で仕事が決められてしまうらしいのです(→ChatGPTに聞いた結果のリンク)。大人になってからの転職は難しく、一般社員として会社に就職した場合は、どんなに頑張っても出世や昇給はほとんど無く、外食できるほど給与はもらえないので、決められた仕事を定時まで行い、定時に帰り、自宅で自炊という流れだそうです。そのため、残業は絶対にしないし、客もそのようなものどと理解しているので、前述のバスのようなことが日常茶飯事だそうです。
一方、日本では、1970年前後の高度経済成長期までは、大学卒業時に一括採用し、皆が残業上等、24時間戦えますが状態で会社の奴隷となり頑張って、部長や社長を目指すことが理論上は可能という状況でした。また、過剰とも思える品質管理や、サービスを提供し、客はそれに慣れてしまったということもあります。「お客様は神様」という言葉もそれを表しているのではないでしょうか?
- 一括採用
- 終身雇用
- 誰でも出世して年功序列で給与が上がる可能性
- 解雇困難(裁判で会社が負ける)
- 高度経済成長で会社に財務的余裕がある
しかし、2020年代になり、日本も変わりつつあります。日本は欧米と比べて会社員の解雇がしづらく、働かない人がいても解雇しづらい状況でした。しかし、資本主義社会である以上、会社は利益をあげつづけなければならず、日本も以下のように変化しつつあります。
- 一括採用中止
- 終身雇用無し
- 失われた30年(1990-2020)で、大企業も倒産またな経営悪化(東芝、シャープ、日産)する時代で会社に財務的余裕がない
- 生成AIの登場により、事務仕事(ホワイトカラーの仕事)のかなりの部分がAIで代替できるようになった
そして、2025年、ついに、
経営状態が悪くなくてもリストラ(パナソニック)
という時代になってきました。時を同じくして、2025年現在、YouTube界隈では、
静かなる退職
という言葉が、よく出てきています(私の周りだけ(エコーチェンバー)かもしれませんが、、、)。ということでいつも通り、ChatGPTに聞いてみました。
ChatGPTによる静かなる退職の説明
「静かなる退職(Quiet Quitting)」とは、主に職場において「必要最低限の仕事だけをこなす」働き方や考え方を指す言葉です。英語圏で2022年頃から話題になり、日本語でも「静かなる退職」「静かなる辞職」として取り上げられるようになりました。
■ よくある行動例
| 行動 | 解説 |
|---|---|
| 定時で退社する | 残業をしない、プライベート時間を大切にする |
| 自発的な提案をしない | 指示されたことだけをこなす |
| 昇進や責任あるポジションを避ける | 責任が増えるのを嫌う |
| 業務外の連絡を無視する | 就業時間外のSlackやメールに応答しない |
だそうです。
静かな退職をする人が出現した背景
上記の動画にあるように、JCT(Japan Traditional Company)において、
- もともと能力があり、頑張って働いている人が
- 頑張っても給料が上がらない(同じ職場の頑張らない無能な同期と給料は同じ)
- 仕事を効率化したりすると、有能な人に、さらなる仕事が割り振られるだけで、有能な人ほど忙しくなる
- 意味のない仕事(生産性のない会議、ハンコラリー)連打
という環境の中、有能な人が、とる選択肢は3つ。
- そのまま心を無にして頑張り続ける
- 自分の能力、努力が報われる会社に転職する or 起業する(退職する)
- 解雇されない必要最低限の仕事のみを行い、仕事を頼まれてものらりくらしかわす → 「静かな退職」
この3番目の選択肢が、
静かな退職
というわけなのだと思います。
しかし、これは諸刃の刃。自分のスキルをアップデートしていかないと、その会社自体が倒産したときに、転職先が見つからないというリスクがあります。
静かな退職のリスクとしての、会社の倒産と、黒字リストラ
もちろん、静かな退職とは正反対の会社もある。






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