コンサルタントによる過疎ビジネス
福島県国見町
「過疎ビジネス」にすがった福島・国見町の過ち コンサル丸投げ自治体が陥ったガバナンス不全 2024/02/15 6:00 横山 勲 : 河北新報記者
コンサルタントによる過疎ビジネス

Geminiに聞いてみました。
「コンサルタントによる過疎ビジネス」とは、過疎化や地方衰退という「課題の解決」そのものではなく、課題解決のために国や自治体から出る「予算(補助金・交付金)」を獲得することを目的化したビジネスのことを指して批判的に使われる言葉です。
地方創生(地方活性化)の分野では、成果が曖昧なまま多額の税金がコンサルティング会社に流れる構造が問題視されることが多々あります。
その仕組みと、よくある「失敗の具体例」を整理しました。
過疎ビジネスの基本的な仕組み
このビジネスモデルの最大の問題点は、「地域が良くなること」ではなく「予算を消化し、計画書を納品すること」がゴールになっている点にあります。
- 国のバラマキ: 国(内閣府など)が「地方創生」「DX」「SDGs」などの名目で巨額の交付金を用意する。
- 自治体の疲弊: 地方自治体の職員は人員不足で、新しい企画を立案するノウハウや時間がない。
- コンサルの介入: 都心のコンサル会社が「交付金獲得のための申請書作成」から「事業実施」までを請け負う。
- 成果の不在: コンサルは手数料や委託費を得て去り、地域には「維持費のかかる箱物」や「誰も見ない報告書」だけが残る。
よくある具体例(失敗パターン)
以下は、実際によく見られる典型的な「過疎ビジネス」のパターンです。
① 「計画策定」ビジネス(紙の成果物)
最も多いパターンです。「〇〇町 総合戦略」「〇〇市 グランドデザイン」といった分厚い計画書を作るだけで、数百万〜数千万円が支払われるケースです。
- 実態: 他の自治体で使ったテンプレートの地名を変えただけの「コピペ計画書」であることも少なくありません。
- 結果: 計画書は役場の棚にしまわれ、住民は誰もその存在を知らないまま終わります。
② 「バズワード」ビジネス(DX・メタバース・NFT)その時々の流行り言葉(バズワード)を使って、実需のないシステムを導入させるパターンです。
- 具体例: 「高齢化率50%の限界集落で、メタバース交流会を開催」「誰も使わない地域独自の電子通貨アプリ開発」。
- 結果: 開発費(イニシャルコスト)でコンサルやITベンダーは潤いますが、利用者が増えず、自治体は毎年の保守費用(ランニングコスト)で赤字を垂れ流します。
③ 「おしゃれな箱物」ビジネス(コワーキング・サテライトオフィス)
空き家や廃校をリノベーションし、おしゃれな交流施設を作るハード事業です。
- 実態: コンサル主導で「東京のクリエイティブ層を呼ぶ」といったコンセプトで作られますが、地元の文脈と乖離しているため、地元の人は入りづらい空間になります。
- 結果: オープン当初は視察などで賑わいますが、コンサルとの契約期間(通常1〜3年)が切れると運営ノウハウがないため放置され、再び廃墟化します。
④「一発花火イベント」ビジネス
単発のイベントやシンポジウムを開催する事業です。
- 実態: 有名な有識者やタレントを呼んでパネルディスカッションを行ったり、特産品フェアを行ったりします。
- 結果: 「参加者数〇〇人」という報告書上の数字は達成されますが、イベントが終われば潮が引くように人がいなくなり、地域経済への持続的な効果はほぼゼロです。
なぜこのビジネスはなくならないのか?
なぜこのような「成果の出ないビジネス」が繰り返されるのでしょうか。
- 単年度予算の壁: 行政の予算は「使い切り」が基本であるため、年度内に確実に終わる(納品できる)計画書やイベントが好まれます。
- 責任の所在: コンサル側は「提案・支援」が業務であり、結果(人口増・売上増)に対する責任(リスク)を負わない契約がほとんどです。
- 「外の権威」への弱さ: 自治体側が「東京の有名なコンサルが言うなら間違いない」と過信してしまう傾向があります。
まとめ:良いコンサルの見分け方
もちろん、全てのコンサルタントが悪質ではありません。地域に入り込み、汗をかいて成果を出している方々もいます。違いは以下の点に現れます。
| 過疎ビジネス(搾取型) | 真のパートナー(伴走型) | |
|---|---|---|
| 滞在時間 | 会議の時だけ東京から来る | 現地に移住する、または頻繁に長期滞在する |
| 言葉 | 横文字(カタカナ)を多用する | 地元のお年寄りにもわかる言葉を使う |
| 収入源 | 行政からの委託費が100% | 委託費だけでなく、自らも事業投資しリスクを負う |
| ゴール | 報告書の納品 | 地域の自走(自分がいなくても回る状態) |
福島県国見町の事例
福島県国見町(くにみまち)の事例は、「企業版ふるさと納税」の制度を悪用した、非常に巧妙かつ悪質な「過疎ビジネス」の典型例として、メディアや書籍(『過疎ビジネス』など)で大きく取り上げられました。
事件の概要:国見町「高規格救急車」問題
2020年頃から始まった、人口約8,000人の福島県国見町を舞台にした「高規格救急車(モバイルER)の開発・リース事業」を巡る騒動です。
登場人物と構図
- 国見町: 財源不足とノウハウ不足に悩む小規模自治体。
- コンサル企業(A社): 宮城県に拠点を置く「地方創生コンサルティング会社」。防災食事業などで実績があり、国見町に入り込んでいた。
- 寄付企業: 「企業版ふるさと納税」を使って、国見町に約4億円という巨額の寄付をした企業群(匿名)。
ビジネスの「裏のスキーム」
表向きは「企業の寄付で、町の防災力を高める救急車を作る」という美談でしたが、実態は「寄付した金が、巡り巡って寄付した企業グループに戻ってくる(還流する)」というマネーロンダリングのような仕組みでした。
- 寄付: ある企業グループが、国見町に「企業版ふるさと納税」で約4億円を寄付する(※寄付額の最大約9割が税額控除されるため、企業の実質負担は1割程度)。
- 事業発注: 町は、その寄付金を原資に「救急車開発・リース事業」を立ち上げる。
- 出来レース: コンサルA社が事業を受託し、実際の車両製造などを「寄付した企業のグループ会社」に発注する。
- 還流: 結果として、税金(交付金)を含めた公金が、寄付元の企業グループに利益として戻る。
国見町は、この「還流スキーム」のトンネルとして利用された形です。
具体的な問題点
この事例が「悪質」とされたのは、以下の点において自治体のガバナンス(統治能力)が完全に崩壊していたからです。
① 役場の思考停止と「丸投げ」
町はコンサルA社を全面的に信頼し、事業の主導権を完全に明け渡していました。
- 仕様書のコピペ: 公募型プロポーザル(業者選定)を行いましたが、町が作成した仕様書は、コンサルA社が作成した資料をほぼ丸写ししたものでした。特定の企業しか受注できないような特殊な寸法などが指定されていました。
- 議会の軽視: コンサル側の幹部が、町の議会や議員を指して「雑魚(ざこ)だから」と見下す発言をしていた音声データが後に流出し、大きな批判を浴びました。
② 実需のない高額事業
人口8,000人の町に、1台数千万円もする「高規格救急車(動く緊急救命室)」が12台も必要か?という根本的な疑問が無視されました。
- 町民のためというより、「予算(4億円)を消化すること」自体が目的化していました。
結末と教訓
河北新報という地元紙のスクープ報道(新聞労連ジャーナリズム大賞受賞)によって問題が明るみに出ました。
- 事業中止: 報道や議会の追及を受け、町は契約の解除・事業の中止に追い込まれました。
- 百条委員会の設置: 町議会に強力な調査権限を持つ「百条委員会」が設置され、町長の責任や職員の関与が追及されました。
- 信頼の失墜: 「地方創生の優等生」を目指したはずが、全国に「食い物にされた自治体」として名前を知られることになりました。
この事例が示すこと
国見町の事例は、「おいしい話(多額の寄付や交付金)」を持参するコンサルタントに対し、自治体側が「NO」と言えなくなる心理を浮き彫りにしました。「お金(寄付)も持ってくるし、計画も全部やってくれるなら任せよう」という役場の事なかれ主義と、制度の穴を突くコンサルの利害が一致した時、こうした「過疎ビジネス」が成立してしまうという教訓を残しています。




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