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「客観性の落とし穴」(2023年)

EBM(Evidence Based Medicine)(科学的根拠に基づく医療)という言葉があります。これは、

その患者さん一人ひとりの事情に応じて、過去のたくさんの客観的情報(エビデンス)を踏まえつつ、全人的に医療を行う

という医療であり、何が何でも、「現時点でうまくいく確率の高い医療を患者に強く勧める」といったものではありません。

この本は、

客観性や数字を用いる科学は不要だと主張しているわけではなく、「真理はそれ以外にもある」「一人ひとりの経験のうちぐぁに視点をとる営みは重要だ」とつぶやきたいだけ

だそうです。

社会的困難の当事者(ヤングケアラーや、精神障碍者の当事者など)に、インタビューを行い、気の向くままに2時間ほどしゃべってもらい、忠実な逐語録をもとにして、一人ひとりについて分析するという手法を行った結果がたくさん記載されていた。

もう少し、一般論が書かれているのかと思って期待して読みましたが、上記のインタビューの超具体例が中心で、「客観性」という言葉によって、個々の経験の生生しさや、リズムが失われて今うという「落とし穴」は分かりましたが、それ以上の、何か、そこから得られる一般的な新しい感想?は得られませんでした(その時点で、客観性 にこだわりすぎているのかもしれません。。。)

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