スポンサーリンク

新型コロナウイルス感染症Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)(7)東京都で医療従事者の感染リスク拡大か(2020年3月末時点)

2020年3月31日

2020/3/24に東京オリンピック2020の延期が発表されました。

オリンピック開催のために、見かけ上の患者数を少なくするために抑制していたと思われても仕方がないくらい少なかった新型肺炎のPCR検査ですが、発表直後から検査数が増えているためか、東京都の新規新型肺炎患者数が急増しています。

東京都におけるSARS-CoV-2のPCR陽性新規患者数(累計ではありません)
参照:東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト

一応、同じ東京都が出しているデータで、検査数のグラフもあるので、こちらも引用させていただきます。

参照:東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト

PCR陽性数が急増した原因としては

  • 検査数を増やした(データ上は増えていませんが、どうとでもできます)
  • 実際の患者数も急増している(パンデミック)

の2つが考えられますが、個人的には両方ではないかと思います。

スポンサードリンク

2020年3月まではCOVID-19(疑い)患者の治療は感染症の専門の病院で行っていた

日本には感染症指定医療機関という、感染症治療の専門家が集まっている病院があります。 国立国際医療研究センター病院 は、全国に4つある『特定感染症指定医療機関』の うちの一つです。残りの3つは成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港の近くにある病院ですから、事実上、 国立国際医療研究センター病院 は 国が認める日本の感染症医療機関のトップということになります。

参照: https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou15/02-02.html

新型肺炎COVID-19などの感染力の強い感染症は、どんなに対策をしても、患者から医療従事者にも感染することが多いです。2020年2月に中国でも医師、看護師がCOVID-19に罹患し、死亡しています。

そのため、2020年3月までは、『感染病床』といって、

  • 感染症専門のスタッフが
  • 個室陰圧管理などの設備や、防護服などが整った
  • 特定の病院の
  • 特定の部屋

で、COVID-19患者の治療を行っていました。東京都で一番有名な感染症の病院は国立国際医療研究センター病院であり、COVID-19患者の治療も2020/1/24から行っていますが、2020/3/29現在、この病院でCOVID-19に院内感染したという報道はありません。

国立国際医療研究センター病院
参照:日本感染症学会

東京都の感染病床がパンク(2020年3月末)

しかし、以下のグラフにあるように、2020/3/29時点で、上記のような『感染病床』は、東京都と大阪府において満床です。

参照: https://www.stopcovid19.jp/

そこで、東京都では、

2020年4月から、感染症治療が専門でない病院も、新型肺炎COVID-19患者の治療を行い、対応病床を4000床増やす方針

としました。

https://dot.asahi.com/wa/2020032800012.html

参照:AERAdot.

上記のリンク先は『4000床確保は現実味なし』とありますが、

  • 保険診療でまかなっている日本の病院が、政府、厚生労働省や東京都の意見に従わない訳にはいきません
  • 感染症専門の病院がパンクすれば、感染症が専門でない病院にもCOVID-19患者がおしかけます

ということになります。

感染症が専門でない病院がCOVID-19患者を受け入れることによりCOVID-19が医療従事者に感染拡大するリスク(2020年4月~)

2020/3/24 永寿総合病院(東京都台東区)において、入院患者と医療従事者がCOVID-19と診断されました。

参考: 都内で新たに40人以上感染確認 03月25日
2020.3.29 東京で新たに63人感染 台東区の永寿総合病院から29人、50代男性が死亡

p://www.eijuhp.com/news/jyuyo/news_20200324menkai.html

さらに、永寿総合病院から 慶應義塾大学病院 に転院した患者がCOVID-19と診断されました。3月27日には 慶應義塾大学病院 の同病棟の看護師2名がCOVID-19と診断され(院内感染疑い)、慶應病院は 3月28日(土)から当面の間、外来において新規の初診受付を停止しました。

参照:NHK NEWS WEB

http://www.hosp.keio.ac.jp/oshirase/important/detail/40098/

参照: http://www.hosp.keio.ac.jp/oshirase/important/detail/40098/

永寿総合病院慶應義塾大学病院は、 国立国際医療研究センター病院と異なり、感染症が専門の病院ではありません。

そのため、そのような病院の医療従事者は、『感染症のプロ』では無いため、感染力が強いCOVID-19には、患者から容易に感染してしまう可能性が高いと考えます。

それでも感染防御に努めるしかないのですが、早くワクチンや、治療法の開発、薬の増産、配布が望まれます。

2020/3月時点でのCOVID-19対策としてはインフルエンザ対策と同様、人混みを避け、手洗い、うがいをして、規則正しい生活しかないのが現状

現時点でCOVID-19の治療薬は無く、肺炎が重症化した場合は、入院して、人工呼吸器を装着します。(PCR検査陽性でも、症例によっては細菌性肺炎合併予防のために抗生剤を投与しているかもしれません。)2週間程で自身の免疫力でウイルスを減らし、人工呼吸器を離脱し、酸素吸入が不要なほど回復し、PCR検査で2回連続で陰性となったら、無事退院という流れのようです。

SARS-CoV-2に感染しても発症しないこともあり重症化は10%程度と言われています(2020/3月時点)。

規則正しい生活をしようにも、外出の自粛が求められており、家にこもって精神的にも体力的にも健康を維持するのはなかなか難しいです。それでも、極力、体力を温存して SARS-CoV-2の感染を予防し、たとえ感染したとしても発症を防ぐ(PCR陽性でも50%前後の人が症状無しという報告もあります)しかありません。

しかし、37.8度以上の発熱、息切れなどの症状が出た場合には、以下に電話相談して、受診先の病院を聞いて、病院を受診するしかないと思われます。

新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター

スポンサーリンク