眼科医からみた子供の視力回復法

眼科専門医、医学博士による解説

オルソケラトロジーによる近視進行抑制

time 2016/07/24

オルソケラトロジーによる近視進行抑制

以前、別の記事で、近視をコントロールする様々な方法について調べられた論文をご紹介しました。

そのうち、オルソケラトロジーには眼軸伸長を抑える効果が認められたということでした。

今回はこのオルソケラトロジーについて取り上げたいと思います。

以前の記事は、こちら。

http://i-doctor.sakura.ne.jp/2016/07/18/%E8%BF%91%E8%A6%96%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%A7%98%E3%80%85%E3%81%AA%E6%96%B9%E6%B3%95/

 

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オルソケラトロジーって?

そもそもオルソケラトロジーとは何か、について簡単にまとめます。

特殊な形状をしたハードコンタクトレンズを夜間就寝時に装着することで、角膜の形状を変化させて、日中の裸眼視力を向上させようというものです。

角膜は大きな屈折力を持つ場所なので、この屈折力を弱めてあげることで、近視を弱める効果を期待する、ということですね。

http://i-doctor.sakura.ne.jp/2015/09/23/kinsi01/

近視や乱視が適応になりますが、強度近視になると矯正がうまくいかない場合もあるようです。また、眼疾患や、眼に影響が出るような全身疾患がない、など、他にも使用するための条件はあります。

そして、コンタクトレンズを使用しますので、コンタクトレンズに関連した様々な合併症が現れる可能性は当然あります。

角膜上皮障害、アレルギー性結膜炎、感染性角膜潰瘍などです。

これらの合併症から目を守るためにも、使用方法を守り、レンズの洗浄をきちんと行い、指示通り、定期的な眼科診察を受けることが大切です。

(以上、参考文献:丸尾敏夫・本田孔士・臼井正彦(監修)、大鹿哲郎(編集)『眼科学 第2版』)

 

オルソケラトロジーの近視進行抑制効果

2016年に出たメタアナリシスがありましたのでご紹介します。

Efficacy, Safety and Acceptability of Orthokeratology on Slowing Axial Elongation in Myopic Children by Meta-Analysis.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26237276

9つの研究、667人のこどもを合わせて解析しています。

眼鏡矯正とオルソケラトロジーでは、2年間における眼軸の伸長に-0.27mmの差が見られ、オルソケラトロジーでは、眼軸の伸びが抑えられていた。

その効果は白人よりもアジア人で大きかった。

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